FC2ブログ
「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
施術前にお身体を検査・評価する上でも大切なポイントです。
知っておくと、いざという時に役立ちます。

項部硬直の原因としては、髄膜症、脳腫瘍、脳浮腫による脳圧迫、硬膜外血腫、硬膜下血腫などのほか、まれに無菌性のワクチンによる副反応でも認められます。
また、原発性の筋疾患(筋炎など)、頸椎椎間板ヘルニアや頸肩腕症候群による強い筋緊張によっても、頸椎の可動性が有痛性に制限されたり、パーキンソン病などでも項部が全方向に硬くなることがあるので、鑑別が重要となります。

※項部は、後頭部(頭から首にかけて)の部分を指します。


いずれにせよ、項部硬直が認められた場合には、専門医への受診が最優先ですね。
 


項部硬直の原因究明は迅速に
髄膜炎からパーキンソン病まで

〔独ウルム〕 臨床所見として項部硬直を認める場合,その原因としては感染症,腫瘍,出血,あるいは単なる筋疾患などが考えられ,場合によっては生命に危険なケースもある。そこで,ウルム大学病院のWerner Klingler,Burkhard Dirksの両博士は,臨床現場で迅速かつ正確に診断する方法についてNotfall+Rettungsmedizin(2007; 10: 147-160)で解説した。

細菌性髄膜炎では主徴を見逃さない
 Klingler博士らは,担当医の適切な判断と迅速な治療により,最悪の事態を回避できた 4 歳男児の症例について報告した。この男児は有熱性痙攣のために受診したが,髄膜症の主徴を見逃さなかったことが救命につながった。項部硬直の重要な原因の 1 つは細菌性髄膜炎であるが,同男児の場合には,高熱があり(39.8 ℃),反応は適切であったが遅かった。母親の話によると,頭痛と発熱が数時間以内に現れて,その後,四肢が30秒間引きつり,顔面蒼白となったという。臨床症状(著明な髄膜症,斑状の皮疹)に基づき,担当医は細菌性髄膜炎と診断した。大病院への搬送中,嘔吐と意識混濁が現れたため,気道確保のための挿管が行われた。抗菌薬の投与が直ちに開始されたため,髄膜炎菌性敗血症を克服することができた。
 項部硬直を伴う疾患で生命を危険にさらすものとしては,ほかにくも膜下出血が挙げられる。その 3 主徴は,突発性の激しい頭痛,髄膜症,悪心・嘔吐である。既往上重視すべきものとして,動脈瘤破裂の前兆として発現することのある出血,さらには発症の数時間ないし数日前に発現する非特異的な自律神経症状および頭痛が挙げられる。患者の20~25%が初期のうちに死亡する。疾患初期を克服できて明らかな無症状期に入っても,それは単なる見かけ上の改善にすぎないことがあり,患者の約25%には 3 ~10日後に血管攣縮と大規模な脳虚血が,約20%には生命にとり危険な二次出血が発現する。搬送時には患者を臥位に保ち,上半身を20~30度挙上させておく。また,体位交換や興奮による血圧の急激な変動を回避しなければならない。
 項部硬直の原因としては,脳腫瘍,脳浮腫による脳圧迫,硬膜外血腫,硬膜下血腫などのほか,まれに無菌性のワクチンによる副反応でも認められることがある。
 髄膜症の警告症状と見えても結局は他の原因によるものであったという場合もある。原発性の筋疾患(筋炎など),頸椎椎間板ヘルニアや頸肩腕症候群による強い筋緊張によっても,頸椎の可動性が有痛性に制限されたり,パーキンソン病などでも項部が全方向に硬くなることがある。
[Medical Tribune 2007年9月27日 (VOL.40 NO.39) p.07]