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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
アトピー性皮膚炎は性格特性まで変えてしまうのか?
恐るべし、アトピー!


兄弟構成・順位による性格特性はADにより消失か

川村学園女子大学大学院人文科学研究科の渡邊瀬里奈氏,西川將巳教授は,同大学の 2 人兄弟の女子学生を対象とした検討において,既報通り兄弟構成・順位による性格特性を実証したうえで,その特性がアトピー性皮膚炎(AD)により打ち消されてしまう可能性があることを福岡市で開かれた第48回日本心身医学会(会長=九州大学大学院医学研究院心身医学・久保千春教授)で発表した。

性格特性は姉と妹で異なる
 渡邊氏らは,2人兄弟の女子学生104人を対象に,兄弟の年齢と性,およびADの有無を調査すると同時に矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施し,兄弟構成・順位によって生じる性格特性とADの有無との関連性を検討した。
 その結果,28人(26.9%)がADを有していると回答。ADと兄弟構成の関連性を見たが,妹あるいは弟を持つ姉,姉あるいは兄を持つ妹の有病率は,それぞれ30.4%,22.7%,27.3%,27.0%と差はなく,特定の傾向は見られなかった。しかし,性格特性はADの有無で異なる傾向が見られた。すなわち,対象者全体のYG性格検査の結果からは,(1)妹は姉よりも社会的外向尺度(S),支配性尺度(A),一般的活動性(G)が有意に高い(2)妹を持つ姉は妹より協調性尺度(Co)が有意に低い―ことが明らかになり,妹は社交的で支配的,活動的なタイプが多いのに対し,姉は協調性が低く,マイウェイ・タイプが多いという従来,報告されている性格特性を有することが確認された。
 ところが,これをADの有無別に見ると,ADのない群では,(1)異性の兄弟を持つほうが攻撃的尺度(Ag)と主観的尺度(O)が有意に高い(2)妹を持つ姉は,弟を持つ姉や姉を持つ妹よりも思考的外向尺度(T)が有意に高い―という結果であった。一方,ADのある群では兄弟構成・順位による性格特性に有意差がなくなっていた。
 同氏らは「本来,姉と妹では性格特性に違いが見られるが,ADを有するとそれが認められなくなる」と指摘。今後は,兄弟構成・順位の幅を広げ,ADの重症度なども加味した検討を行い,ADの発症が性格特性にどのような影響を与えるのかを明らかにしていきたいという。

[Medical Tribune 2007年8月9日 (VOL.40 NO.32) p.33 第48回日本心身医学会]



アトピーはご存じのとおりアレルギー性疾患。
自律神経と免疫との関係性からみると、アレルギーは副交感神経優位で起こるとされています。
アトピーの状態とは、自律神経系がアンバランスの状態といえますからカラダの生理機能に歪みが生じているわけです。
そのように推測すると、性格特性に変化が生じるという報告も、アリなのかもしれませんね。