たんぽぽ院長のつぶやき

「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

膝半月板損傷は一般的な加齢変化で、膝症状とは関連しない

興味深い報告です。

注目する部分は、

・半月板損傷は中高年に一般的にみられるもので、膝症状とは関連せず、変形性膝関節症に伴うこともあるものであることを示す

・半月板断裂が認められた被験者の61%は、前月には疼痛やうずき、こわばりは少しもなかったと報告されている。

・今回の報告では、膝半月板断裂または半月板損傷の有病率は、女性50〜59歳で19%、男性は70〜90歳で56%と大きな幅があり、男女とも加齢に伴いその数が増すことが認められた。


膝に症状があってもなくても、加齢によって半月板には損傷が起こる。

そして、仮に、半月板損傷が画像上、見つかっても、それが膝の症状の直接の原因とはならないこともある。

非常に興味深いですね。



膝半月板損傷は一般的な加齢変化で膝症状とは関連しない

膝のMRI画像診断は、原因不明の膝症状がある患者にしばしば行われる。そして半月板損傷が見つかると普通、症状はそれらに起因するものとされるが、半月板損傷の有病率と、膝症状やX線撮影の所見に基づく変形性膝関節症を伴う半月板断裂との関連については十分なデータが示されていない。米国・ボストン医科大学のMartin Englund氏らは、マサチューセッツ州住民を対象にその関連について調査を行った。NEJM誌2008年9月11日号より。

被験者を50歳以上の一般集団からランダムに選定

Englund氏らが対象としたのは、マサチューセッツ州フラミンガムの住民で国勢調査標準地域データとRDD方式(電話番号からランダムに抽出)で被験者を選んだ。50〜90歳の外来通院可能な者とし、特に膝または他の関節に問題のある対象を選択したわけではない。

分析は、被験者991例(57%が女性)を対象に、1.5テスラMRIの走査で得た右膝半月板の画像データで健全性を評価することで行われた。右膝の症状は調査票に基づいて評価した。

膝症状がなくても半月板所見は加齢に伴い増加

その結果、右膝半月板断裂または半月板損傷の有病率は、女性50〜59歳で19%(95%信頼区間:15〜24)、男性は70〜90歳で56%(95%CI 46〜66)と大きな幅があり、男女とも加齢に伴いその数が増すことが認められた。そして膝手術を受けた履歴のある被験者を除外しても、有病率は大幅に低下することはなかった。

変形性膝関節症のX線所見のある人(Kellgren Lawrence分類で、グレード0〜4のうちグレード2以上。数値が高いほど変形性膝関節症のより確かな徴候を示す)の半月板断裂の有病率は、ほとんど毎日膝痛、うずき、こわばりを感じる人で63%、一方、これらの症状のない人でも60%だった。

変形性膝関節症のX線所見のない人の有病率は、膝痛などの症状がある人で32%、ない人で23%となっている。

また、本調査では、半月板断裂が認められた被験者の61%は、前月には疼痛やうずき、こわばりは少しもなかったと報告されている。

これらからEnglund氏は、「今回の調査結果は、半月板損傷は中高年に一般的にみられるもので、膝症状とは関連せず、変形性膝関節症に伴うこともあるものであることを示す。膝MRI検査をオーダーした医師は、付帯的な損傷を考慮し、治療プランを考えなければならない」と結論している。(武藤まき:医療ライター)
[2008/09/24(水) CareNet.com]




変形性膝関節症の治療に関節鏡視下手術を併用しても利益なし

中等度から重度の変形性膝関節症の治療に、理学療法と薬物療法に関節鏡下手術を加えても、それによる利益は生じないようです。

手術は言われているほどの恩恵をもたらしてはくれないようです。

手術をするか、しないかの選択は、くれぐれも慎重に!!


変形性膝関節症の治療に関節鏡視下手術を併用しても利益なし


変形性膝関節症の治療に関節鏡視下手術を併用することは広く行われているが、その有効性を支持するエビデンスは乏しい。カナダ・西オンタリオ大学のAlexandra Kirkley氏らは、中等度から重度の変形性膝関節症患者を対象に、関節鏡視下手術の単一施設無作為化比較試験を行った結果、「理学療法と薬物療法に関節鏡下手術を加えても、それによる利益は生じない」と報告した。JAMA誌2008年9月11日号より。

理学・薬物療法との併用の有無で2年後に効果を比較

患者は無作為に、理学療法と薬物療法および関節鏡下手術(外科的洗浄と壊死組織切除)の併用群(手術併用群)と、理学療法と薬物療法だけの対照群に割り付けた。主要転帰は、2年時点の追跡調査で測定したWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)の合計スコアとした(range=0〜2,400、高値ほど重症)。副次転帰はShort Form-36(SF-36)Physical Component Summaryスコア(range=0〜100、高値ほど良好なQOL)とした。

手術併用の優位性示されず

手術に割り付けられた患者は92例。このうち6例は手術を受けなかった。比較対照群の86例は、全員が理学療法と薬物療法だけを受けた。

2年時点のWOMACスコアの平均値(±SD)は、手術併用群は874±624だったが、対照群は897±583だった。手術併用群スコアから対照群スコアを差し引いた絶対差は−23±605だった(95%信頼区間:−208〜161、ベースラインのスコアと重症度で補正した後のP = 0.22)。

SF-36スコアは、手術併用群が37.0±11.4、対照群が37.2±10.6だった(絶対差:−0.2±11.1、95%信頼区間:−3.6〜3.2、P = 0.93)。

中間受診の際のWOMACスコアと他の副次転帰を分析しても、手術併用の優位性を示すことはできず、Kirkley氏は「変形性膝関節症に対して、関節鏡視下手術を理学療法と薬物療法に併用し行っても、付加的利益は示されなかった」と結論付けている。(武藤まき:医療ライター)
[2008/09/24(水) CareNet.com]





痛みがある膝OA患者は日本に800万人超:ROAD研究で判明

痛みを伴う変形性膝関節症(膝OA)患者が820万人、痛みを伴う変形性腰椎症(腰椎OA)患者が1020万人いると推定されることが明らかとなったそうです。
記事によると、X線上の変形所見から診断された膝OAの有病率は男性で44.6%、女性で66.0%と高率だったのに対し、実際に痛みを有する膝OAは、男性25.4%、女性38.9%という有病率を示したそうです。画像上の所見で男性44.6%に変形が見られ、痛みを感じているのは25.4%。
女性で66.0%の画像上の所見に対し、38.9%の方に痛みがあるという結果。

このことから、「変形」即「痛み」ではないことが明らかですが、これは、他の研究報告と照らし合わせてみても、単に変形の度合いが軽いから痛くない、というものだけではないような気がしています。
地域性や体格、年齢、姿勢・動作などの関連性も報告されているようですが、画像所見と痛み症状との関係性については、これらだけでは評価しきれないと思うのですが、いかがなものでしょうか。


痛みがある膝OA患者は日本に800万人超:ROAD研究で判明

変形性関節症(OA)に関する世界最大規模の疫学研究ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)プロジェクトで、わが国には50歳以上で、痛みを伴う変形性膝関節症(膝OA)患者が820万人、痛みを伴う変形性腰椎症(腰椎OA)患者が1020万人いると推定されることが明らかとなった。同プロジェクトを進めている東京大学医学部22世紀医療センター関節疾患総合研究講座の吉村典子氏が、第52回日本リウマチ学会のシンポジウム「変形性関節症の基礎と臨床」で報告した。

関節症は老衰に次いで「要支援」となる原因の第2位(2004年厚労省国民生活基礎調査)を占め、より積極的な予防策が望まれるところだが、OAに関する大規模な疫学調査はこれまでほとんど行われていなかった。

 ROADプロジェクトは、地域特性の異なる全国4地域でのコホート調査により、OAの発生率、有病率、転帰・予後の検討、危険因子の同定、ゲノム解析などを行う研究で、2005年から始まった。参加者は現在、4地域合わせて約3500人を数え、フラミンガム研究の2倍以上で世界最大規模。しかも、調査は精細かつ厳密に行われており、信頼性の高い縦断データが得られるものと期待されている。地域コホートに加えて臨床コホート、すなわち疾病登録研究も進められ、OAの自然経過や増悪因子などの解析が行われる。

 今回は、ベースライン調査が終了した地域コホート(解析対象は平均年齢72歳の2843人)の結果の一部が報告された。それによると、X線上の変形所見から診断された膝OAの有病率は男性で44.6%、女性で66.0%と高率だった。痛みを有する膝OAも男性25.4%、女性38.9%という高い有病率を示した。

 この結果を日本の人口構成に当てはめると、わが国には50歳以上で、X線上の膝OA患者は2400万人(男性840万人、女性1560万人)、X線上の膝OAで痛みを有する患者が820万人(男性210万人、女性610万人)いると推定された。

 腰椎OAについても同様に検討すると、X線上の変形所見より診断された腰椎OAの有病率は男性で82.6%、女性で67.4.%と、膝OAよりもさらに高率だった。痛みを有する腰椎OAの有病率は男性24.3%、女性34.2%だった。これより、わが国には50歳以上で、X線上の腰椎OA患者が3510万人(男性1850万人、女性1660万人)、X線上の腰椎OAで痛みを有する患者が1020万人(男性450万人、女性570万人)いると推定された。

 性、地域特性の関連について、年齢調整ロジスティック回帰分析を行うと、膝OAのリスクは、女性が男性の3倍、山村部在住が都市部在住の2.6倍高いことが分かった。腰椎OAのリスクは逆に、女性が男性より60%減、山村部在住が都市部在住より20%減となった。

 年齢、体格因子などについても検討された。膝OAのリスクは、年齢は1歳上がるごとに男性で8%、女性で11%、BMIは1上がるごとに女性で11%上昇した。腰椎OAのリスクは、年齢が1歳上がるごとに男性で7%、女性で6%、BMIが1上がるごとに男性で9%、女性で4%上昇した。

 さらに、最も長く就いていた職業における主な姿勢や動作との関連を調べると、膝OAのリスクは男女とも「立つ」「歩く」「坂道を上る」「重い物を持つ」で、腰椎OAのリスクは女性の「坂道を上る」「重い物を持つ」で有意に高くなった。

ROADプロジェクトでは今後、ベースライン調査のさらに詳細な解析を進め、OAのリスクファクターについて仮説を提唱する考え。また、追跡調査によるOAの累積発生率とその影響要因を明らかにするとともに、ゲノム疫学研究、OAの診断支援システムの開発、国内外の骨関節疾患予防コホートとの連携を推進していきたいとしている。

 このうち、OAの診断支援システムに関しては、複合的な所見を一つずつ分けて定量的に評価する膝OA診断支援システムKOACAD(Knee OA Computer Aided Diagnosis)が実用化のレベルに達している。
(2008. 4. 24 日経メディカルオンライン)




変形性関節症の治療オプション

米国整形外科学会(AAOS)による変形性関節症の治療オプションが紹介されていましたので・・・



変形性関節症の治療オプション

変形性関節症(OA)は、関節部に痛みや硬直、腫れをもたらす疾患で、関節部の可動(movement)が困難になり、疼痛を伴うようになる。

米国整形外科学会(AAOS)は、変形性関節症の治療として下記のようなオプションを紹介している:

・日課の運動を、ウォーキングや水泳など、衝撃が小さなものに変更する。

・健康体重を維持する。

・炎症や痛み、腫れを軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を服用する。

・関節の可動性を向上させるために、関節へのコルチコステロイド注射を行う。

・筋肉、骨、関節を強化するために、理学療法と作業療法を受ける。

・ほかの治療法で効果がない場合は、手術を受ける。

(2008年2月21日/HealthDayNews)



とくべつ、目新しいものはないようですけどね、一応載せておきました。

炎症や痛みを抑えながら、可動域を向上させ、筋肉や骨、関節を強化、そして軽い運動をしながら、健康体重の維持。

「何をやるか」はこれらに尽きるのでしょうけど・・・


医療機関で指導されるのは、大抵の場合、

「筋肉を鍛えなさい」

「痩せなさい」

「歩きなさい」

言うは易し・・・でも、なかなかね・・・うまくいかないことが多いようです。



わかっていても、いろいろな理由で、どうしても頑張れない方たちの方が、多いのも事実。

「言ったとおりにやらないからダメ」って突き放すのは簡単ですし、

「やらなかったんだから仕様がないね」といって投げちゃうのも楽ですけどね。

やれなかった(やらなかった)方たちに、別の方法を検討したり、提案したり・・・私自身そのあたりの奥行きをもう少し身につけていきたいなーと感じています。













指の長さで膝(ひざ)変形性関節症のリスクがわかる

おもしろい報告です。
あなたの指はいかがですか?


指の長さで膝(ひざ)変形性関節症のリスクがわかる

人差し指が薬指よりも短い女性は膝(ひざ)の変形性関節症(OA)のリスクが高いことが、医学誌「Arthritis & Rheumatism」1月号で報告された。
人差し指と薬指の長さについてはこれまでに広く研究されており、男性は人差し指よりも薬指が長く、女性は長さに差がない傾向があるとされている。過去の研究では、人差し指が薬指より短い人は、胎児期に浴びたテストステロン(男性ホルモン)値が高く、エストロゲン(女性ホルモン)値が低いこと、男性では精子数が多いことが明らかにされている。

変形性関節症には運動およびエストロゲン欠乏が関わっていることから、英ノッティンガム大学リウマチ学教授のM. Doherty博士らのグループは、指の長さと膝および股関節の変形性関節症リスクとの相関の有無を検討した。

研究グループは、ノッティンガム市内の病院から収集した変形性関節症患者2,000人強のデータを分析。また、変形性関節症の病歴および症状のない1,100人強を対照群に設定した。参加者はいずれも63〜67歳であった。全参加者の膝、骨盤および手のX線写真を撮影。指関節の基部から頂部および中手骨の長さを視覚評価し、3つのグループに分類した。人差し指が薬指より長いものをタイプ1、長さが同じものをタイプ2、人差し指が薬指より短いものをタイプ3とした。

その結果、過去の研究と同様、タイプ3に分類された男性は女性の2.5倍であった。タイプ3の手をもつ人は膝変形性関節症のリスクが2倍であり、タイプ3の女性は男性よりもそのリスクが高いこともわかった。また、薬指に対する人差し指の長さの比が小さいほど膝変形性関節症のリスクが高く、年齢、性別、体重、けが、座りがちな生活などの因子を考慮してもなお、この関係がみられた。Doherty博士は、薬指が人差し指よりも長い「男性」型の手をもつ女性の膝変形性関節症リスクが特に高い点を指摘している。(HealthDay News 1月4日)



人差し指が薬指よりも短い女性は膝(ひざ)の変形性関節症(OA)のリスクが高いということですが、「薬指に対する人差し指の長さの比が小さいほど膝変形性関節症のリスクが高く、年齢、性別、体重、けが、座りがちな生活などの因子を考慮してもなお、この関係がみられた」ようです。
そもそも、過去の研究において、「男性は人差し指よりも薬指が長く、女性は長さに差がない傾向がある」ようで、「人差し指が薬指より短い人は、胎児期に浴びたテストステロン(男性ホルモン)値が高く、エストロゲン(女性ホルモン)値が低いこと、男性では精子数が多いことが明らかにされている」そうな。
こうした関係性がるということは知らなかったのですが、おもしろいものですね、人間のカラダって。