たんぽぽ院長のつぶやき

「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

プライマリケアでの急性腰痛患者の約3分の1は1年後も完治していない

プライマリケアとは、地域住民のあらゆる健康、疾病に対し、総合的・継続的に、そして全人的に対応する地域の政策と機能のことを指すようです。
つまり、患者さんが最初に接する医療の段階のこと。
いわゆる家庭医がその役割を担うということになるわけですが、残念ながら、約3分の1は1年後も完治していないという報告のようです。
オーストラリアでの報告ですが、日本でも同様の傾向はあるのではないでしょうか。(私見です)



プライマリケアでの急性腰痛患者の約3分の1は1年後も完治していない

急性の腰痛でプライマリケア・クリニックを受診した患者の予後はそれほど良好ではなく,患者の約30%は1年後も完治していないと,オーストラリアのグループがBMJの7月19日号に発表した。
 この所見は,プライマリケアで管理された発症2週間未満の急性腰痛患者973例(平均年齢43.3歳,男性54.8%)を1年間追跡したコホート研究から得られた。腰痛の回復は仕事への復帰,機能の回復,痛みの消失までの期間により評価された。
 1年間の追跡率は97%以上であった。登録時点で仕事を減らしていた患者のうち半数が14日以内に,83%が3か月以内に以前の仕事の状態に戻っていた。腰痛による身体的障害および痛みが解消するまでの期間の中央値は,それぞれ31日,58日と長かった。1年後に完全に腰痛が回復した患者は72%にとどまった。
 高齢,強い痛み,初診までの腰痛の期間,初診までの腰痛による活動性低下の日数,抑うつ感,危機感などが,腰痛回復までの時間の長さと関連していた。
[Medical Tribune 2008年8月7日(VOL.41 NO.32) p.55]






〜スポーツ種目別の腰椎椎間板変性に関する横断調査〜

野球や水泳が、腰椎の椎間板変性に悪い影響を与える、と決めつけるのどうかと思います。

あくまでも、報告の一つとして参考にはしたいと思います。



〜スポーツ種目別の腰椎椎間板変性に関する横断調査〜
野球・競泳選手で変性率が有意に高い

スポーツ選手では腰椎椎間板変性が多いとの報告があるが,各報告で研究デザインが異なり,競技種目と椎間板変性との関係は明らかにされていない。筑波大学大学院人間総合科学研究科の半谷美夏氏(現・国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部整形外科)らは,腰椎への力学的負荷が異なると推察される競技種目別に椎間板変性の発生率などを横断調査したところ,「野球と競泳の選手で椎間板変性率が有意に高く,若年期からの継続した腰椎への力学的負荷が関与すると考えられる」と報告した。

椎間板変性のORは2.7〜2.9
 半谷氏らが対象としたのは,同大学の6運動部に所属する競技歴5年以上の学生のうち,(1)野球57人(2)競泳47人(3)バスケットボール63人(4)剣道51人(5)サッカー47人(6)陸上(走種目)43人―と,競技スポーツ経験がない非競技群71人で,MRI正中矢状断T2強調画像により,1椎間以上で椎間板変性を有した者をDisc Degeneration Subject(DDS)とし,競技スポーツ種目と椎間板変性との関係を検討した。
 その結果,競技種目別のDDSの割合は,野球では59.7%,競泳57.5%,バスケットボール42.9%,剣道39.2%,サッカー36.2%,陸上25.6%,非競技群31.4%であった。
 DDSの割合に関し非競技群を基準としてロジスティック回帰分析を行い,性とBMIを補正してオッズ比(OR)を算出したところ,DDSの割合が有意に高かった競技種目は野球(OR 2.74)と競泳(同2.87)であった。なお,バスケットボールでは同1.61,剣道では同1.26,サッカーでは同1.15,陸上では同0.67であった。

腰痛の程度が強いほど変性率が高い

 また,全対象者に行った腰痛に関する自記式質問票の回答を検討したところ, 腰痛の既往ありと答えた者のDDSの割合は45.6%と,既往なしの29.4%に比べて高かった。さらに,腰痛の程度別のDDSの割合は,極軽度(ごく軽い痛みで競技や日常生活に支障なし)では24.3%,軽度(痛みのために競技に支障を来すも日常生活では支障なし)では44.4%,中等度(痛みにより日常生活に支障を来す)では57.6%,強度(痛みのために動けない)では69.2%となり,腰痛の程度が強いほどDDSの割合が有意に高いことが認められた(図)。
 半谷氏は「野球や競泳の選手では,若年期からの体幹の旋回や水中活動による腰椎への力学的負荷の継続が腰椎椎間板変性の促進に関与することが推測される」と述べた。
[Medical Tribune 2008年9月18日(VOL.41 NO.38) p.12]




腰部脊柱管狭窄症における狭窄部位と神経所見

「対象の34%は神経学的責任レベルと画像障害レベルが一致しなかった」と報告されているようですが、画像診断と症状における障害レベルとの不一致は、椎間板ヘルニアなどでもよくあること。
あくまで私見ですが、腰部脊柱管狭窄症の症状は狭窄によるトラブルというだけでは片付けられないのでは?
腰部脊柱管狭窄症というもののとらえ方そのものや、神経症状というものの考え方など、そろそろ見直す時期に来ているのではないかと思うのですが・・・



〜腰部脊柱管狭窄症における狭窄部位と神経所見〜

患者の3分の1で画像障害レベルと神経学的責任レベルが一致せず
 腰部脊柱管狭窄症では,硬膜管の圧排が強く多椎間にわたる症例ほど神経学的症状が複雑化する傾向があり,神経学的所見と画像上の狭窄部位とのレベル診断が一致しない症例も存在する。千葉大学大学院整形外科学の山内かづ代氏は,腰部脊柱管高度狭窄症例を対象に検討した結果,対象の34%は神経学的責任レベルと画像障害レベルが一致しなかったと報告した。

不一致例ではL3/4狭窄によるL5神経根障害が最も多い

山内氏らは腰部脊柱管高度狭窄症例38例(男性25例,女性13例,平均年齢73歳)を対象に,歩行時の下肢痛(または痺れ)および筋力低下を評価して最上位の所見を神経学的責任レベルとするとともに,脊髄造影を行って最狭窄部位を画像障害レベルとし(完全途絶と部分途絶の両者を有する場合は完全途絶部を画像障害レベルとする),両レベル診断の相違を比較検討した。
その結果,神経学的責任レベルと画像障害レベルの不一致は38例中13例(34%)に認められ,完全途絶例では16例中7例(44%),不完全途絶例では22例中6例(27%)において画像障害レベルと神経学的責任レベルが一致しなかった。また,不一致例のうちL3/4狭窄によるL5神経根障害が7例で,最も多かった(表)。
以上の結果から,同氏は「高度・多椎間狭窄例の症状は狭窄高位から下位に高度に現れやすいことが示唆される」と述べるとともに,神経学的責任レベルと画像障害レベルが一致しない背景として,(1)狭窄部以外の病因の存在(椎間孔内・外)(2)神経学所見レベル診断の問題(疼痛・感覚障害・筋力低下のレベル定義)(3)従来とは異なる部位での神経根(馬尾)障害の可能性―を指摘した

[Medical Tribune 2008年7月24,31日(VOL.41 NO.30,31) p.46]



もしかしたら、この不一致タイプが、『手術によって狭窄は無くなりました。でも症状は残っています』というパターンに、陥ってしまうタイプなのかもしれませんね。




腰部脊柱管狭窄症のこむらがえり

腰部脊柱管狭窄症の手術をしても、こむらがえりは無くならず・・・むしろ悪化?という記事です。
腰下肢痛や間欠跛行が落ち着いたら、こむらがえりの出現・・・
この記事では、そのあたりの相関関係などについては、特に言及されていませんが、手術で圧迫を解除すれば「手術は成功!はいっ 一丁上がり」とはならないということです。
手術後に出現した、頻繁に起こる「こむらがえり」に耐えかねて、来院される方も少なくありませんから。
術前に説明するだけではなくて、しっかりとした対策の方を期待しております。




〜腰部脊柱管狭窄症のこむらがえり〜
術後も一般住民に比べて高頻度に発生

 腰部脊柱管狭窄症では特徴的な臨床症状である腰下肢痛や間欠跛行のほか,こむらがえりを訴える患者が少なくない。慶應義塾大学先進脊椎脊髄病治療学講座の松本守雄准教授は,手術加療を行った腰部脊柱管狭窄症患者に対するアンケートにおいて,術後も患者の70.8%はこむらがえりがあると回答したが,こむらがえりの有無は手術に対する満足度とは無関係であったと報告した。

改善例より悪化例のほうが多い
松本准教授らは手術加療を行った腰部脊柱管狭窄症患者120例(男性85例,女性35例,平均年齢73.5歳,平均術後経過期間3.6年)に対して郵送によるアンケートを行うとともに,腰部脊柱狭窄症の手術歴を有さない高齢一般住民370例(男性162例,女性208例,平均年齢75.6歳:対照群)にも同様のアンケートを行い,両群を比較検討した。
 その結果,こむらがえりがあると答えたのは患者群が85例(70.8%),対照群は137例(37.2%)で,性・年齢を調整したオッズ比は4.6と,患者群で有意に高頻度であった。こむらがえりの頻度は,患者群では数日に1回が34.9%で最も多く,次いで数週に1回(23.3%),数か月に1回(18.6%),1日2回以上(15.1%)などの順で,出現時間では夜間就寝中が73.3%を占めていた。
 こむらがえりがあると答えた患者のうち,術前に比べて術後は改善したと答えたのは18%,不変が47%で,26%は術後むしろ悪化したと回答した。また,患者群の7%はこむらがえりにより「非常に困っている」と答え,「困っている」(13%),「やや困っている」(27%)と合わせると,半数近くの患者がこむらがえりにより日常生活動作(ADL)上支障を来していることが判明した。
 腰部脊柱管狭窄症の手術療法は,おもに腰下肢痛や間欠跛行の改善目的で行われる。今回の対象患者のうち,こむらがえりがあると回答した患者の70.2%,なしと回答した患者の57.2%は手術に満足しており,手術に対する満足度とこむらがえりの有無との関連は認められなかった。
 同准教授は「腰部脊柱管狭窄症に対する手術療法により間欠跛行が改善すれば,患者の手術に対する満足度は必ずしも低くはない。しかし,こむらがえりが術後に改善する可能性は低く,なかには悪化したり新たに出現したりする場合もあることを,術前に患者に説明する必要がある。それと同時になんらかの対策を考えていかなければならない」と指摘した。
[Medical Tribune 2008年7月24,31日(VOL.41 NO.30,31) p.46]




骨盤を動かす?

「骨盤ダイエット」なるものが流行っているようです。

骨盤や股関節、腰を動かして、ダイエットやスタイル改善に生かそうというもののようですが、普段、使っているようで(動かしているようで)、なかなか使いきれていないことが多いので、そういう意味では、非常に有益なものだと思います。

が・・・・・・・


最近、これをやり始めて腰が痛くなった、という方が多くいらっしゃいます。

これは、このメソッドがいい・悪いということではなく、みなさん、カラダの使い方が上手にできていないために、症状が現われてしまった、というところのようです。

たとえば、お尻を後ろに引く(突き出す)動作があります。
この動きを、股関節を屈曲させるのか、骨盤を前傾させるのか、腰を反らすのか、とでは大きな違いがあります。
それぞれ連携するもでではありますが、できるだけ、それぞれを区別して動作できることが大切です。
それぞれの動きの違いを理解し表現できる方は、どうやら少数派で、ほとんどの方が上手にできないようですね。
特に、骨盤を前傾させることと、腰を反らすこととの区別がつかないという方が多いようです。

「骨盤〜」というエクササイズに励んでいらっしゃる方々、安全かつ効果的にエクササイズを継続させていく上で、このあたりにも意識が向いていくと、よろしいのではないかと思いますよ。