たんぽぽ院長のつぶやき

「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

「幻肢痛」は疑似マッサージで解消可能? 米研究報告

少し前の記事ですが・・・

「幻肢痛」は疑似マッサージで解消可能? 米研究報告

切断手術で手足の1部を失った人が存在しないはずの手や足に痛みを感じる「幻肢痛」は、マッサージをするようなしぐさを見せて脳に錯覚を与えることで治療できるかもしれない。このような研究結果が英科学誌ニュー・サイエンティスト(New Scientist)に発表された。

 米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)神経科学研究所(Center for Brain and Cognition)のヴィラヤヌル・ラマチャンドラン(Vilayanur Ramachandran)所長は米国の退役軍人らと共同で、このような痛みが発生する理由とその解消法に関する実験を行った。

 第3者が握手や親指を立てるなど意図的なしぐさをするたびに反応する脳の「ミラー細胞」の重要な役割が、近年の研究で示されている。

 この脳細胞は一般の人が同様のしぐさを見たときにも反応することが分かっている。それならばなぜ、人が手をすりあわせたり拍手をしたりするのを見ても、一般の人には類似の感覚が発生しないのだろうか。

 これについてラマチャンドラン所長は、ミラー細胞が脳に送ろうとするメッセージを手の感覚細胞が阻止しているとみている。一方、手足を失った人にはこれらの感覚細胞が存在しないため、信号が脳に到達するというのだ。

 この仮説を証明するために、研究チームは、手を失った人に存在しない手があるように見せる「ミラーボックス」を作った。手を失った2人の被験者に対して手を触るのを見せたところ、両者とも失われた手がつつかれた感覚があったという。さらに、第3者の手がなでられるのを見ると、自分の失われた手がなでられたような感じを受けたという。

 被験者の1人は、第3者が手をすりあわせるのを見ると、ないはずの手に苦痛を伴う筋けいれんを感じ、けいれんを止めるのに最高15分かかったと報告している。

 ラマチャンドラン所長は「これを何度も繰り返せば痛みは永久になくなるだろう。友人やパートナーが手をすりあわせるのを見ることで、幻肢痛を取り除くことはできるかもしれない」と指摘している。
【3月24日 AFP】


幻肢痛(ファントムペイン)の原因は、まだ確定的にわかっていないところもありますが、「脳内で作りだされた痛み」とみて間違いないようです。
そのため、脳内に起きている痛みのプログラムをどのような方法で変化させるのかがポイントになっているようです。
今回紹介された方法で改善の可能性が高まれば、取り組みやすいアプローチであるだけに、幻肢痛(ファントムペイン)に悩まされている方には、朗報と言えますね。

幻肢痛(ファントムペイン)に限らず、一般的な「慢性痛」においても、脳の関与がクローズアップされていますから、そちらへの応用も期待したいと思います。







筋膜も背痛のトリガーに

こういう情報は、きちんと広まってほしいと思います。
当院は「カイロプラクティック」を屋号にしていますが、カイロプラクティック特有の背骨や骨盤などの関節を介しての働きかけと同じ、場合によってはそれ以上に筋肉・筋膜などへの働きかけを大切にしております。
というのも、関節を支え、動かすのは筋肉であり、痛みなどの不調の現場も筋肉や筋膜であるというケースが多いためです。
また、筋膜のような膜組織も、単に「しきり」として存在しているだけではなくて、身体の支持機能としての役割も有しています。
こうした理由から不調の改善、姿勢の改善などあらゆる主訴に対しても、結構、筋肉や筋膜のリリースを重要視しているのですが、痛みの現場としての筋膜というケースを、この記事をきっかけに広く知っていただければと思います。



筋膜も背痛のトリガーに

〔独ウルム〕 ウルム大学応用生理学教室のRobert Schleip博士と麻酔科のWerner Klingler博士らは「いわば国民病とも言える背痛の原因として筋膜が関与している可能性がある。最近の研究では,筋膜は張力を受動的に伝える以上の働きがあることが示唆されており,こうした知見が治療法にも影響を与えそうだ」と報告した。

機械的刺激でも筋膜が収縮
 ヒトの筋膜には筋線維芽細胞が分布しており,特に腰背筋膜には高い密度で存在する。Schleip博士らは,伸展させた筋膜組織検体に種々の薬剤(抗ヒスタミン薬のmepyramineやオキシトシンなど)を添加すると収縮が引き起こされること,これに対して,一酸化窒素供与体を添加すると筋膜が弛緩することを突き止めた。
 同博士らは「能動的に収縮可能な筋膜は筋骨格系の生体工学に影響を与えうることから,これが背痛や線維筋痛症をはじめとする筋骨格系疾患の新たな治療法の手がかりとなるかもしれない」と期待している。
 筋膜の収縮は伝達物質だけでなく,機械的刺激によっても引き起こされる。また,筋膜の動きは秒単位や分単位ではなく数時間単位であるという。
 したがって,将来的にはオステオパシー,ストラクチュラル・インテグレーション,筋膜弛緩法などを効果的に適用することで慢性疼痛症状を緩和できるようになる可能性がある。
[Medical Tribune 2008年4月3日(VOL.41 NO.14) p.06]





ニコチンやトウガラシが手術後の痛み軽減に有効

昨日に続いて、ニコチンがらみの記事です。

ニコチンやトウガラシ由来のカプサイシンは、外科手術後の痛みを軽減させるのに有効で、重大な副作用も認められなかったということです。

経口投与による効果や、慢性痛への効果はまだ確認されていないようですが、ニコチンは、いろいろと懸念はあるものの、カプサイシンが痛みの緩和に効果的であるということには、疼痛コントロールにも大きな幅を持たせてくれるのではないでしょうか。

今後の研究に期待です!


ニコチンやトウガラシが手術後の痛み軽減に有効

ニコチンパッチおよびトウガラシ由来のカプサイシンが、ともに外科手術後の痛みを軽減させるのに有効であることが2つの研究で示され、米サンフランシスコで開催された米国麻酔学会(ASA)年次集会で発表された。いずれも重大な副作用は認められていないという。

第1の研究では、前立腺切除術を受けた非喫煙男性90人に、麻酔および手術の前に7mgニコチンパッチまたはニコチンを含まないパッチのどちらかを貼付。ニコチンパッチ群は、術後24時間に自己投与したモルヒネ量がプラセボ(偽薬)群よりも少なく、痛みの程度は両群とも同程度の評価だった。

ニコチンパッチ群で吐き気の増大はみられたが、モルヒネのように眠気を催す副作用は認められず、吐き気は積極的な予防措置で対処できると、研究を率いた米デューク大学メディカルセンター(ノースカロライナ州)のAshref Habib博士は述べている。薬剤による吐き気予防のほか、長時間放出型パッチや低用量パッチを用いる方法もあるという。

ニコチンパッチは禁煙補助薬として認可されているが、過去の研究でも痛みを軽減する効果が示されている。しかし米ハワード・ヒューズ医療研究所(HHMI、メリーランド州)のEdwin W. McClesky氏は、この研究は術後の痛みが対象で、慢性疼痛への効果はわからないと指摘。また、ニコチン受容体は中枢神経と末梢神経の両方に存在するため、ニコチンが術後の痛みを緩和するメカニズムは不明で、ニコチンの依存性にも懸念を示している。Habib氏は、短期間の使用であれば依存性はなく、今後は喫煙者、女性などさまざまな集団で異なる用量での研究を実施すると述べている。

第2の研究は、デンマークの研究グループによるもので、男性約20人に対し、ヘルニアの手術中に精製カプサイシン(トウガラシから生成した無色無臭の物質)1,000μg(マイクログラム)を創部に直接投与し、プラセボを投与した20人と比較した。カプサイシン群は、術後3日間の痛みが有意に少なかったという。

研究を行ったジュリアナ・マリーJuliana MarieセンターのEskve Aasvang博士は、カプサイシンが痛みをつかさどるC神経線維の阻害薬として極めて有望だと述べている。カプサイシンの軟膏は帯状疱疹での痛み治療に用いられているが、経口投与による慢性疼痛への効果はまだ裏付けがない。

米ハーバード大学医学部のグループによる別の研究では、カプサイシンとリドカイン誘導体QX-314の併用でラットでの痛み軽減が示され、いずれは麻酔なしでの歯科治療に応用できる可能性もあるとのこと。

(2007年10月15日/HealthDayNews)





疼痛への"慣れ"を決定する領域に新知見

疼痛を感じるか否か,またどの程度の強さで感じるかを決定している領域は吻側帯状回というところらしい。
ということで、疼痛抑制システムに重要な役割を担っているであろう吻側帯状回は、内因性の疼痛抑制物質の結合に関与する領域でもあるので、この部位での疼痛誘発刺激に対する代謝活性の亢進をコントロールすることが、痛みのケアに応用できるというわけだ。
なるほど。



疼痛への"慣れ"を決定する領域に新知見
脳内の疼痛抑制システム解明の第一歩に

ハンブルク大学病院システム神経科学研究所(エッペンドルフ)頭痛外来のArne May講師らは,疼痛知覚において重要な脳内の"スイッチ"の発見につながる研究成果をドイツ連邦教育研究省(BMBF)発行のNewsletter(2007; 31: 7-8)で紹介した。

反復刺激で代謝が亢進
 これまでも,疼痛刺激への"慣れ"が疼痛抑制システムの一部であることは知られていたが,その具体的機序がどのようなもので,脳のどの領域で発現しているのかは明らかにされていなかった。これに対して,May講師らは「眼球のすぐ後方の脳に,内因性オピオイドであるエンドルフィンの結合に関与している領域があり,この領域が疼痛刺激に慣れるか否かを決定しているのではないか」と推測している。
 同講師らは,21〜33歳の男性20人を対象に前腕に熱による疼痛刺激を与える試験を 1 週間にわたり毎日行った。その結果,被験者の75%では,繰り返し疼痛刺激を受けることにより最初の 1 週間以内に疼痛閾値が明らかに上昇し,これと並行して疼痛強度が低下した。これらの被験者では疼痛刺激への"慣れ"が生じたと考えられた。これに対して,被験者の19%では"慣れ"を確認できず,6 %では逆に疼痛の増強が認められた。
 代謝が活発な領域を不活発な領域から区別するとともに,その部位を同定するため,機能的MRI(fMRI)を用いて疼痛刺激に対する脳の反応を調べた。その結果,疼痛処理領域として知られている特定の脳領域では,疼痛刺激により代謝活性が明らかに亢進したが,刺激を繰り返すうちに同領域における代謝活性は明らかに低下した。これに対して,眼球のすぐ後方にある吻側帯状回は逆の反応を示し,熱による刺激が繰り返されることで代謝活性は亢進していた。
 このことから,同講師らは「疼痛を感じるか否か,またどの程度の強さで感じるかを決定している領域は吻側帯状回であると考えられる。吻側帯状回は内因性の疼痛抑制物質の結合に関与する領域でもあることから,疼痛抑制システムに重要な役割を担っていると考えられる」と主張している。

慢性疼痛の発生機序解明に期待
 外部からの刺激と神経系のさまざまな部位を介した体内での疼痛処理が,疼痛知覚に影響を及ぼす。ドイツでは約600万人が疼痛の持続に悩まされているが,"慣れ"は疼痛の慢性化から身を守るために,進化の過程で獲得された防御メカニズムなのかもしれない。この機序が障害されると,慢性疼痛発現リスクの上昇につながると考えられる。
 今回の研究では,一部の被験者において疼痛処理の方向性が異なっていることが示されたが,このことが,慢性疼痛を生じる者と生じない者がいる理由を解明する手がかりとなるかもしれない。
[Medical Tribune 2007年9月13日 (VOL.40 NO.37) p.07]








慢性疼痛への対処法

慢性痛と急性痛とはそのメカニズムはまったく違います。
単純に急性の痛みが長く続いたものではありません。
慢性痛の痛みは「脳」が大きく関わります。
最近では、こういった情報もテレビなどでも見かけるようになりましたが、依然として「慢性痛=急性の痛みが続いたもの」という認識から抜け出せず、急性痛に対する治療を意味もなく続けてしまっているケースがまだまだ多いようです。

慢性痛克服のカギは「脳」です!!
いかにして脳に働きかけるかがポイントなのです。

それから、慢性的な痛みのセルフケアとしては、今回取り上げた記事にあるような方法も効果的ですよ。



慢性疼痛への対処法

6カ月以上続く痛みを慢性疼痛という。米国家庭医学会(AAFP)によると、鎮痛薬による治療のほかにも、以下のような治療法があるという:

・ストレッチ、筋力強化運動などの理学療法。

・水泳、サイクリング、ウォーキングなどの無理のない運動。

・疼痛を悪化させないよう日常活動を変える方法を学ぶ作業療法。

・ヨガや瞑想など、リラックスを促し、ストレスを軽減させるための行動療法。

・禁煙、十分な睡眠、適切な食事、十分な運動などの生活改善。

(2007年8月29日/HealthDayNews)