たんぽぽ院長のつぶやき

「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

肘や肩の手術で術前の状態に回復する野球選手は45%

野球選手に限らず、アスリートの場合、痛みによって競技パフォーマンスが落ちてしまったときには、手術によって再起を図るということも考えますよね。
しかし、手術前の状態に回復できる野球選手は、45%と報告されています。
この数字を多いとみるか、少ないとみるか。

日本では、野球選手が肩や肘にメスを入れる状態に陥ることが、そのまま選手生命の終わりを意味していた時代が長く続いていたことを考えると、45%という数字は、手術にトライする価値を見いだせる時代になってきたと言えるのかもしれません。

記事には「われわれはプロ野球選手の要求に合わせて処置をカスタマイズできる微調整の方法を検討する必要がある」というコメントが載せられていますが、手術後のリハビリなどを含めて、スポーツ医学のますますの発展を願います。
怪我してしまった選手に、希望の灯をともしてあげられるような体制になっていって欲しいですね。

微力ながら、私もお手伝いできるよう努力したいと思います。




肘や肩の手術で術前の状態に回復する野球選手は45%

〔サンフランシスコ〕フィラデルフィア・フィリーズのチームドクター助手でロスマン研究所(ペンシルベニア州フィラデルフィア)スポーツ医学研究責任者のSteven B. Cohen博士は「肘や肩の手術を受けた野球選手のうち,術前と同等またはそれ以上に回復して試合に戻ることが可能になった選手はわずか45%である」と米国スポーツ医学整形外科学会(AOSSM)のSpecialty Day集会で発表した。

微調整が望まれる
 Cohen博士は「もちろん,理想的にはすべての選手に術前と同等かそれ以上のレベルまで回復して欲しいと考えている」と述べている。しかし,プロ野球選手のレベルでは,投球に関して一般の人に比べてはるかに高い水準が望まれる。肩や肘の手術を受けた一般の人は通常の活動に戻ることが可能であるが,プロのレベルで投球することは肩や肘にかなり大きな負担がかかる。
 同博士らは,四季を通してさまざまな外科医が行ったプロ野球球団(メジャーリーグ,AAA,AA,A)に所属する選手44人の肩と肘の手術50件(肩26人27件,肘21人23件)について調査した。その結果,肘の手術を受けた選手は肩の手術を受けた選手に比べて,術前かそれ以上のレベルに回復する可能性が高いことがわかった。44人中35人は投手であったが,うち43%は術前またはそれ以上のレベルに回復している。
 全体として,44人中20人(45%)はプロ野球レベルで同等かそれ以上に回復した。メジャーリーグ,AAA,AAレベルでは22人中4人(18%)のみが同等かそれ以上のレベルまで回復した。
 同博士は「外科医としてこれは明らかに残念な数値で,われわれの望んでいたよりも低い」と述べ,「しかし今回の結果は,われわれが選手の故障を評価し,投球を行う腕を治療する際のエビデンスを示している。われわれの目的は,エリート選手を最初のけが以前の健康状態に戻すことである。それは競技以外で生計を立てている選手にとっても,選手を最高の健康状態にしておくことを希望する組織にとっても重要である。われわれはプロ野球選手の要求に合わせて処置をカスタマイズできる微調整の方法を検討する必要がある」と付け加えている。
[Medical Tribune  2008年5月1日(VOL.41 NO.18) p.59]







肘が痛くても原因は・・・

肘の痛みがある女性。
病院で一度、患部に注射を打ってもらい、一旦は症状は落ち着くものの、再発。

状態を診ると、肘関節そのものや周辺の靭帯、肘に直接作用する筋肉、肘関節をまたぐ筋肉などから症状の誘発はみられず。

症状についてもう少し具体的に話を伺いながら触れていくと、ありました、引き金となっている部分が。

その方も

「え〜 そんなところが?」

とおっしゃるようなところに。

その部分をリリースすると症状は消失。

良かったですね。
うれしいのは私も一緒。

肘が悪くて肘が痛いのは当たり前。
肘そのものの状態はそんなに悪くないのに、痛みを感じるのは、関連する他部位に何かあるはず。
引き金となる部位を探す作業は、こうしたいたって単純なところから始まります。
カラダの状態をしっかりと観察して、丁寧に触れ、あとはちょっとだけ知識や経験を引っ張り出してくれば、アプローチするべき部分は見つかるものです。

患部にだけ注目しても、必ずしもその中に原因があるとは限りませんよ、ということですね。



野球での肘の痛み

野球をやっている中学生が、はるばる遠野から来院。
キャッチボールをしていて肘に痛みを感じ、病院へ。
骨などには異常はなく、スジの炎症と診断されたとの事。
その後、様子をみていたものの、痛みがひかないということで、来院されました。

状態をチェックすると、痛めた筋とやらは、回外筋、総指伸筋、尺側手根伸筋のようで、肘の回外動作(カーブを投げる方向)と手首の背屈(反らす動作)に可動制限がありました。
6年前に野球肘(肘の内側に痛み)を経験していて、そのときから無意識にかばったフォームで投げていたせいかもしれませんね。

施術は、上記の筋肉や可動制限の解消を中心に行い、練習後やそれ以外の時間でのセルフケアをアドバイスしました。

今回のように、肘に痛みがあっても、直接は手首や指を動作させる筋肉のトラブルが引き金になっていると言うケースは、少なくありません。

少なくとも、手指、手首、肘、肩の動きには連係がプログラムされていますから、

痛いところ=原因個所 

とならないこともあるのです。

全身、つながっていますからね。
そういえば、肘の曲げ伸ばしでの痛みや制限が、腰の腰方形筋のリリースでよくなった方もいたなー。


次回は、全力投球できるようになったかを確認して、今後再発させないことを目標に再度バランスを整えたいと思います。


剪断損傷が手根管症候群の原因

手根管症候群の診断で、外科的治療には二の足を踏んだ方などが、来院されたりもしますが、手技療法でも結構いい成績は上がっていると思います。
今回は、その手根管症候群についての記事です。


剪断損傷が手根管症候群の原因
〔米ミネソタ州ロチェスター〕 メイヨー・クリニック(ロチェスター)整形外科のPeter Amadio博士が率いる新たな米国立衛生研究所(NIH)基金研究によると,手首,手掌と手指を障害する手根管症候群は,手根管内の腱周囲組織の剪断損傷が原因であることが示唆される。病変組織と正常組織の電子顕微鏡画像を比較する今回の試験が今後実証されれば,早期診断と疾患の予防・回復を目指す優れた治療法が得られることになる。詳細はPlastic and Reconstructive Surgery(2006; 118: 1413-1422)に掲載された。

疾患経過を解明
 今回の試験では,手根管症候群の疾患経過が剪断損傷から始まることを示唆する成績が得られている。損傷が治癒するとともに,瘢痕組織により腱の滑動が障害され,正中神経を圧迫し,神経への血液供給が中断され,推定で成人の約 5 %が罹患する手根管症候群に特徴的な状態である手根管内圧の増大がもたらされる。この過程の最終アウトカムは,手根管症候群による手の疼痛,痺れ感,刺痛である。
 手根管症候群はほとんどの場合,原因は不明である。手根管内圧の増大が神経を栄養する末梢循環に影響を及ぼすことにより疼痛,痺れ感,刺痛の生じる可能性があることはよく知られている。Amadio博士らは,手根管内圧が上昇する原因を究明した結果,剪断損傷が原因である可能性を示唆している。これにより手根管症候群を治療する新たな方向が示された。
 今回の研究は以下の点で重要である。
・手根管症候群の組織異常が詳細に解析されている
・腱に隣接する組織の障害が最大であることが示されており,したがって,手根管症候群患者では非患者には存在しない剪断損傷が存在することを裏づける詳細な状況証拠が得られた
・手根管症候群の主因である腱内膜の剪断損傷を検討することにより,その診断と優れた治療法を確立する新たな方向性が示された
 同博士は「手根管症候群をもたらす一連のイベントが確認できれば,その予防・回復を目指す効果の高い手術を考案することが可能だ」としている。
 手根管症候群の治療には安静,運動,薬剤療法があるが,重症例では手根管内圧の増大を解放する外科的治療が行われることが多い。
 今回の試験では剪断損傷の原因は証明できなかったが,同博士は「手指の反復運動による組織内膜への外傷やストレスの影響を検討している」とし,「そうした剪断損傷は隣接する指の反復的または激しい差動運動(differential motion)に起因すると考えられる」と述べている。
[Medical Tribune 2007年4月5日 (VOL.40 NO.14) p.20]



手根管症候群の治療には一般的には、安静、運動、薬剤療法、重症な場合には外科的治療。
そして、手技療法も。

一般的に「運動」で効果があるといわれている筋骨格系の症状には、手技療法は有効である場合が多いものです。

手根管症候群も、結局は「手指の反復運動による組織内膜への外傷やストレスの影響」が引き金と考えられているようですから、手指に負担がかかるような職業の方などは、日頃からお手入れを怠らないことが大切です。

手根骨

3・4年前に、雪道で転び、手を着いてから手首を反らしたりすると、手首の違和感と肘までの強張りがおこり、腕立て伏せも出来ないというケース。

この方、別の主訴で来院されていたのですが、それもすっかり良くなったので、「ちょっと診てもらえますか」ということで、チェックすることに。
病院では「リハビリしてください」と言われたそうですが、うまくいかず、気になりつつもこれまで放置していたようです。

手首には、手根骨と言って4個ずつ2列に骨が並び、それぞれ関節をつくっていますが、この関節は、自分の意思でそれぞれを独立させて、動かすことが出来ない、特殊な部位なのです。

その中のひとつ、舟状骨という骨を中心に変位があり、前腕の橈骨も巻き込み、症状が現れていたようです。

手根骨は、自分の意思で自由に動かせないので、変位があることにも、なかなか気付けないでいることが多いんですよね。

というわけで、舟状骨や橈骨の調整をしてみると、上記の症状も落ち着いたようです。

手首の手根骨が肘へ・・・というだけではなく、その先の肩や首にも影響することもあり、足の足根骨(かかとの骨など)も同様に、足根骨制限が、膝や股関節、腰にも影響を及ぼします。

こういうケース、かなりの頻度でありますから、見落とされませんように。